【感想】FINAL FANTASY XIII 序盤レビュー|専門用語の洪水と一本道の中で見える“面白さ”

ゲーム

導入:わかりそうでわからない、独特な世界観

『FINAL FANTASY XIII(以下、FF13)』を始めてまず感じたのは、説明がほとんどないということ。
いきなり「パルスのファルシのルシがパージされる」と言われても、初見ではまるで呪文のようで、誰が何をしているのか理解が追いつかない。
今でこそなんとなく意味は掴めてきたが、7章に入ってもまだ整理しきれていない。

ファルシは一体だけだと思っていたが、パルムポルムには「食料を管理するファルシ」まで存在していて驚いた。
どうやらそれぞれが異なる役割を持って世界を支えているようだ。
このわかるようでわからない感覚は不親切に感じる反面、
プレイヤー自身が登場人物と同じ立場で“理解できない世界”を体験しているようでもあり、不思議な没入感がある。


戦闘:テンポの良さと緊張感のバランスが絶妙

FF13の戦闘はテンポが非常に良い。
コマンド入力は基本的に自動で行われ、プレイヤーはロール(役割)を切り替える判断に集中する。
戦況を見ながらアタッカー・ブラスター・ヒーラーを瞬時に切り替えれば、ほとんどの戦闘は問題なく進む。
一本道構造で経験値稼ぎができない分、敵の強さが丁寧に調整されていて、
「気を抜かなければ詰むことはない」レベルのバランスになっている。

ただし、油断するとすぐに全滅する。
操作キャラが倒れると味方が生きていても即ゲームオーバー
ヒーラーへの切り替えが遅れると、一瞬で形勢が崩れることもある。
さらにフェニックスの尾が貴重品で、1つ1000ギル。
7章時点で4000ギルほどしか持っていないため、敗北はなるべく避けたい。

ストーリーの都合でパーティが固定される仕様も特徴的。
正直、「この組み合わせは弱いな」と思う場面もあるが、
全員を順番に使わせることで、自然とロール運用を覚える設計になっているのだと思う。
自由編成が解放されたときにどう変わるかが楽しみだ。


キャラクター:理想と現実の差が描かれる群像劇

スノウ:理想だけで突っ走る現実逃避型リーダー

スノウは「守る」「救う」と言葉にするが、行動が追いついていない。
理想ばかり語って周りを巻き込み、結局は何も成し遂げられないタイプ。
自分の実力を把握せず、夢を見るだけの姿勢に現実味がなく、正直苦手だ。

ホープ:感情を内にため込み、未熟さを抱える少年

ホープは言いたいことを言えず、スノウへの怒りを内にため込んでいく。
ライトニングに影響されて決意を固める姿勢はいいが、その方向が危うい。
ライトニングが止めようとしたときの「なんで!?」という反応に、
彼の未熟さがはっきりと表れている。

ライトニング:冷たさの奥にある責任感

序盤では他人を突き放す印象が強いが、ホープと行動する中で少しずつ変化していく。
パルムポルムで聖府に見つかった際にスノウへ「ホープを頼んだ」と言った場面には、
彼女なりの仲間意識が感じられた。

ヴァニラ:優しさの形が一段深い

ヴァニラがサッズに「逃げよ!」と言った場面が印象的だった。
「やりたいことをやればいい」と突き放すのではなく、
サッズの本心を察して“責任を引き受ける形”で背中を押していたように見えた。
「逃げよう」と言ったのは私だから、あなたの選択ではない――
そんな優しさを感じた。
多くのキャラが理想や感情をぶつけ合う中で、
ヴァニラだけは相手の重荷を少しでも軽くする方向で動いている
一番“大人”なキャラかもしれない。

サッズ:息子のために行動する等身大の父親

サッズは軽い性格に見えて、実はもっとも現実的で地に足のついたキャラ。
息子ドッジが政府側のルシであると知り、
彼を救うために下界のファルシ破壊を目指す。
コクーンの人間が下界に行くことは恐怖そのものだが、
“子のために行動する親”としての強さが際立つ。
理想や使命感よりも、人としての感情で動いている点に好感を持った。

ファング:まだ輪郭だけの存在

登場したばかりで掴みきれないが、ヴァニラとの関係性から物語の鍵を握るのは間違いない。
落ち着いた雰囲気と存在感だけでも印象に残るキャラだ。


映像と音楽:2009年作品としては驚異的な完成度

映像は、今見ると少し古さも感じるが、それでも当時を考えると驚くほどの美しさ。
2009年といえばDSやPSPが主流だった時代。
その中でこのレベルの映像表現を実現していたのは明らかに異常だ。
表情やカメラワークも丁寧で、プレイ中の没入感を支えている。

音楽は全体的に質が高いが、シリーズ恒例の勝利ファンファーレがないのは少し残念。
ただ、戦闘曲やイベントBGMは場面と完璧にマッチしていて、
静と動の切り替えが非常に自然に感じる。


ロード画面のあらすじ機能は地味に重要

ロード画面で表示される“あらすじ”機能が非常に助かる。
物語中では説明されない設定や人間関係が整理されていて、
専門用語が多いこの作品では理解を補う大切な情報源になっている。
正直、スキップせず読むべき。


総評:混乱の中にも、確かな手応えがある

専門用語に翻弄されながらも、ストーリーの中で「こうかな?」と想像しながら進めるのが楽しい。
一本道だから展開が早く、ダレることなく遊べる。
視点の切り替わりが良い区切りになっていて、セーブも多く親切設計。
ただ、少し親切すぎる部分もあって、リトライやセーブ頻度の高さで緊張感が薄れる瞬間もある。

今後はもう少し“RPGらしさ”を感じたい。
下界に行けば広いフィールドを歩けたり、レベル上げができたりするのではと期待している。
物語的には「全員助かるエンド」は想像しにくいが、
それでも誰もが救われる結末を願いたい。
もしかすると、政府のファルシが“人間に戻す方法”を持っているのかもしれない。
あるいは、全員がクリスタルになって『FF13-2』へ続く――そんな展開もありそうだ。

今はとにかく、先が気になる。


作品情報

FINAL FANTASYツョ XIII on Steam

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